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ハートに稲妻のマークはAEDを表しています。 |
AEDとは何ですか?
AED(Automated External Defibrillator)とは、「自動体外式除細動器」のことで、突然心臓が停止状態になった場合に、心臓に電気ショックを与えることによって、正常な動きに戻してやるための医療機器です。
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AEDがどうして必要なのですか?
心臓発作による突然死は、日本では年間約4〜5万人と推定され、毎日100人余りの人が亡くなっており、交通事故の死亡者よりはるかに多い状況にあります。
そして、これまでに目撃されている突然死の原因としては「心室細動」が最も多いといわれています。
「心室細動」とは致死性の不整脈で、心臓の筋肉がけいれんを起こした状態になり、血液を送るポンプの役目を果たさなくなるものです。
そのため全身に血液が回らず、脳にも酸素が供給されなくなりますので、数秒後には意識を失い呼吸が停止し、しばらくすると完全に心臓も停止してしまいます。
これを救うためには、心臓に電気ショックを与えて細動を取り除くしか方法がありません。
また、発作がおきてから除細動が1分遅れるごとに救命の可能性が7〜10%ずつ下がりますので、救命後に脳障害を起こさないためには、心臓停止後3〜4分以内にAEDによる除細動を行う必要があります。
したがって、いかに早くAEDを使えるかが「カギ」となります。
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なぜ電気ショックが有効なのですか?
心臓が停止した状態とは、
1.心室細動(心臓の筋肉がバラバラに動いてポンプの役目を果たさない)
2.心室性頻拍(心臓がとても早く動き過ぎて脈拍が得られない)
3.無脈性電気的活動(心電図上は正常だが実際は心臓が動いてない)
4.心静止(心臓が全く動いていない)
の4つのうち、いずれかの状態になったことを示すのですが、このうち AEDによる電気ショックは心室細動と脈の触れない心室性頻拍に有効 な治療手段です。
電気ショックが有効な理由は 、心室細動を起こした心臓(心室)に一瞬大電流を通じさせることにより、心臓(心室)のすべての筋肉をいったん収縮(興奮)させ、その動きとリズムを合わせて元の拍動を取り戻させるためです 。
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AEDは誰でも使うことができるのですか?
これまで除細動は医療行為として、医師や救急救命士等にしか認められていなかったのですが、AEDであれば専門的な知識がなくても簡単迅速に除細動を行うことが可能で、心臓突然死からの生存率改善が期待されることから、平成16年7月からは誰でも使用することができるようになりました。
しかし、先に述べたようにAEDは全ての心停止に有効ではないため、除細動が適用できない場合は心肺蘇生法を実施する必要があります。
そして、心臓マッサージや人工呼吸が確実に実施され、AEDが適切に使用されることにより、効果的な応急処置を実施することが可能となります。
また、業務の内容や活動領域の性格から、 一定頻度で心臓停止者に対し応急の対応を行う可能性がある人 については、必要な講習を受けておくよう指導されています。
消防局では、AEDの正しい使用法を含めた普通救命講習会を開催しています。講習は3時間で受講料は無料です。また受講者には修了証が交付されます。
なお、開催の有無については広報させぼやホームページで案内しています。 |
AEDはどうやって使うのですか?
AEDの電源を入れると、必要な操作が全て音声ガイダンスによって案内されます。
そのため使用する人は、その案内に従いながら電極パッドを貼り付けたり、通電ボタンを押したりするだけで、複雑な操作や専門的知識を殆ど必要としません。
AEDの大まかな使用方法としては次のとおりです。
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1.AEDの電源を入れる |
2.電極パッドを傷病者の胸部に貼る |
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(イラスト提供:日本赤十字社) |
3.ケーブルを本体に接続する |
4.AEDが自動的に傷病者の心電図を解析する (解析ボタンを押すことが必要な機種もある) ので、除細動の指示が出たら除細動のボタン を押す |
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AEDはどこに設置してあるのですか?
今のところ、AEDの設置義務について法的な定めはありません。
しかし、119番を受けて救急車が現場に到着するまで約7分間を要していることから、この間そばに居合わせた人が何もできなければ、救える命も救うことができません。
消防局では、救命率の向上を目指してAEDがこれから多くの施設に設置してもらえるよう、普及推進を呼びかけているところです。今後は関係の部局とも連携して、 次のような施設に対して設置を呼びかけていきます。
そしてこのような取り組みが、やがて周辺事業所などへも拡大していくことを期待しています。
《当面の普及推進目標》
不特定多数の人が利用する施設
観光客が訪れて利用する施設
運動競技やイベントなどを行う施設
学校施設
医療福祉施設
救急車の到着や医療機関までの到着に時間を要する施設 など
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みんなで助け合って、救命の連鎖を築きましょう
大切な家族や仲間、また目の前で尊い生命を失おうとしている人を救えるのは、その場にいるあなた自身です。
また、救急隊が到着するまでにあなたが救命処置を行うことができれば、途絶えかけた命を救える可能性が格段に向上します。
尊い生命を救うためには、救命のバトンが途切れないように、迅速に引き継ぐことが大切です。これを 「救命の連鎖」 と呼んでいます 。
1.消防機関への早い通報
2.AEDを含めた早い応急処置
3.救急隊による早い救命処置
4.医療機関での早い医療処置
安全で安心して暮らせる街づくりを進めるために、皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。
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